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26AW COLLECTION | July.18 11AM (JST) START

un by Tomoyo Yoshida | 公式オンラインストア (公式通販)
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JOURNAL

Sense of Wonder
2026.07.16

Sense of Wonder

今回のジャーナルでは、まもなく発売となる26AW Collectionの背景にある思考やそのルーツについてお話ししていきます。 2021年より発表し続けているボディシリーズで表現してきた身体の物語を、より深いレイヤーへと潜らせた続編として、月の軌道と身体に宿る循環、その関係性に着目し、そこから生まれるリズムを軸にコレクションを制作しました。 私にとって月は、幼い頃からずっと身近な存在でした。その理由の一つは、私自身の名前に「月」が含まれていることです。 母の名前には「明」が入っているのですが、私はその「月」を並べて「朋」、弟はその「日」を並べて「昌」という由来を持っています。 幼い頃の私は、「私は月、弟は月を照らす太陽なんだ」と思っていましたし、素敵な名前をつけてもらったことに感謝しています。 そして月を眺めて、ただただ想いを馳せていると、どこか遠い宇宙へ飛んでいける気がすることを大真面目に考えていた不思議な小学生でした。 月をモチーフにしたジュエリーはこれまでも制作してきましたが、もっと深いレイヤーで月との関係性からインスピレーションを受けたものを作ってみたいという想いを、今回ようやく一つのコレクションとして形にすることができました。 月は私にとって個人的な存在である一方で、身体との深いつながりも感じています。日本語では、身体を司る漢字に「月」が多く使われています。また、古くから月のリズムは身体の巡りとも重なると考えられてきました。 今日は少し肌の調子が悪いなと思う日が満月だったり、意識していなくても、どこか身体と月はつながっているように感じる瞬間があります。 そして月は一定の軌道を巡りながら、太陽との関係によってさまざまな表情を見せます。同じ月でありながら、その姿は日々少しずつ変化し続けています。月の変化と身体との関係性から、軌道、循環、リズム、光という言葉が、このコレクションを形づくるキーワードとなりました。 この世界観を表現するために選んだ素材として、古来より月と深い関わりを持つムーンストーンを満月の象徴に、ダイヤモンドを月の光に見立て、コレクション全体に使用しました。ムーンストーンには、ホワイト以外にオレンジやグレーなどが存在しますが、ホワイトを選んだのは、夕暮れ時に現れる太陽と共存する白い月にいつも魅了されているからです。 ムーンストーンを配し、動きのある曲線を取り入れたデザインは、身体のリズムと呼応しながら軌道を描き、巡り続ける月と重ね合わせています。ビジュアルの卵は、生命の根源を象徴するモチーフとして取り入れましたが、ルック全体を通してご覧いただくことで、物語の断片を拾い集めるような世界観を感じていただけたらと思います。 今回のビジュアルに登場したレオパは、この月というテーマから必然的につながった存在です。月を象徴する黄色の生き物を登場させたいと新作を作りながら選んだのですが、たまたま種類がゲッコーで、その響きが月光と重なったことに、どこか運命めいたものを感じました。 撮影時、小学生以来トカゲと触れ合い、幼少期へふっと戻され、道端で見つけたトカゲを捕まえて大切に筆箱にしまい、授業中に時々覗き込んでいた日のことを思い出しました。あの頃の私は、ただ純粋に生きている命の世界を知りたい好奇心そのものでした。その感覚は今もなお、ものづくりに夢中になれる気持ちと繋がっているように感じます。今回、サブタイトルとして “Sense of Wonder” と名付けたのも、この感覚が原点にあるからです。 今回のコレクションでも、ギミックを取り入れたデザインがいくつか登場しますが、いつまでもあの頃のワクワクする気持ちを大切にしたいという想いからです。 ロイヤルブルームーンストーンは中心を巡る月として、オニキスは地球から見えなくとも存在する新月として取り入れました。 このプロップの銀杏は、卵との共通点でもある殻の中に黄色い実を宿す存在として取り入れました。またピアスもその実のように、パーツを取り外せる2WAY仕様となっています。 ダイヤモンドをあしらった三日月モチーフのアイテムは、月の中でもっとも女性的な存在として、その繊細で儚い光と美しい佇まいを、身体の曲線と呼応するように表現しています。身体の一部として身につけていただけるように、コレクションの中でもっともミニマルなデザインに仕上げました。 26AW Collectionは今月から9月にかけて発売いたします。...

どちらでもない場所で見えてくる感覚
2026.04.12

どちらでもない場所で見えてくる感覚

まもなく26SS Collectionが発売となります。今シーズンはこれまでのシリーズをアップデートしながら、自分の内側にある感覚をひとつのかたちとして作品にしました。 人生にはいくつもの通過点があります。春は特にその真っ只中にいる方も多いのではないでしょうか。 どちらでもない移行の途中。でも自ら選んで立っている場所。 流れに乗るか、乗らないか。可能性が広がっているその位置は、心が揺れるときでもあります。 この場所に立ち、向き合っているとき、もし自分を閉じてしまったり、自分に嘘をついてしまったら、流れに乗ることができずに後悔が残るかもしれません。 人は環境や未来に意識を向けすぎると、自分の内側の感覚を見失うことがありますが、その通過点こそが、自分がどうありたいのかその内側と静かに向き合うための時間であり、もっとも冷静さが試される瞬間なのかもしれません。 そして今回このジャーナルを綴るタイミングに、直島の李禹煥美術館を訪れました。彼の言葉の中に、同じモチーフを繰り返し表現する中にある差異性について触れられていたことが、今回のコレクションとも重なり、とても印象に残りました。 わたし自身も今回のシリーズに限らず、繰り返し同じモチーフを表現し続けていますが、繰り返すことで生まれるものは決して同じではありません。 内側にある感覚と、外側で出会う出来事や環境。その二つが重なり合うことで同じかたちをなぞっているようでいて、そこには変化が生まれます。 その差異は意図して生み出すものではなく、その時々に変化している自分が、そのまま現れているものなのだと思います。 だからこそ繰り返すという行為は、同じものをつくるためではなく、変化していく自分自身と向き合うための時間でもあります。 そして自分の中にある軸というものは、変化を受け取りながら、かたちを変えながら深まっていくものだとも感じています。揺らぎの中にあっても、その中心にあるものを見失わずに、その時々の自分を表現していきたいと思っています。 そこで導き出した答えは、さまざまな変化や出会いを受けながら、心に留まっていく自分の中にあるその軸をふとした瞬間に思い出せるような感覚から生まれました。 今月はブリエ・シグネットシリーズより、砂時計を横にしたようなフォルムのコレクションが発売されます。それは、左でも右でもなく、上でも下でもない、移行の途中にある時間と場所をかたちにしたものです。そして、その変化を受け取るということは、必ず通らなければいけない道も、その時間にしかない輝き(=ブリエ)があることを表現しました。 そして来月は、どちらにも動くことのできる通過点にいながら、自分の中にある軸が中心にあることで保たれていることを揺れるたびに思い出せるように、寄り添う存在として表現したコレクションが、フロストシリーズより登場します。 選択は二つしかないときもあれば、たくさんの可能性が広がっているときもあります。揺れるということは、何かを選び、動こうとしている証でもあります。その軸を可動する輪で表現しました。 わたし自身、軸が揺らぐこともあります。失うことを恐れて、何かにしがみついてしまうこともあります。 選択しなかったものを否定するのではなく、ご縁があればまたかたちを変えて自分のもとへ戻ってくることもあります。 自分が大切にしたいものを、大切にする。自分が愛したいものを、愛する。自分が在りたい人で、在る。 どちらでもない通過点に立つことで、いつのまにか複雑にしてしまっていた思考をほどき、シンプルな感覚に立ち返ることができるのかもしれません。 その感覚をふと思い出せる、小さな指標として。そんな想いを込めた26SS Collectionを、ぜひご覧いただけたらうれしいです。

15年目のはじまりに
2026.01.11

15年目のはじまりに

新年が明け、本日1月11日は、unの誕生日でもあります。 unはフランス語で「1」を意味する言葉であり、その意味を重ねて、設立日を1月11日にしました。ブランド設立から数えると14周年、そして15年目を迎えます。 15周年に向かう今、昨年あたりから、私自身が次のフェーズへ進まなければならないような使命感に近いものを感じるようになりました。 私は作るという行為そのものが、ある意味で精神統一のようなもので、無心になれる時間でもあります。心から一生ものづくりをしていたいと思いますし、彫金に出会えたことは人生の宝物です。 unを立ち上げた頃は、いつか地元福岡にアトリエ兼直営店を作りたいと考えていました。当時は夢のような目標でしたが、1年目から有難いことにたくさんの方の目に留まり、そこから目まぐるしい日々が始まりました。ただひたすら登り続けていたら、いつの間にか景色が変わっていた、というくらい無心だったように思います。 選択肢のひとつだった地元での直営店はいつの間にか自然に消え、私の方向性を変えてくれたのは、たくさんのお客様の存在でした。unを通して多くの景色を見させていただき直営店を構えて8年が経ちましたが、今もこうして表参道で続けさせていただけていることに、とても感謝しております。 そんな中で最近感じているのは、貴金属の高騰が止まらず今後も価格の上昇が続くことが確実な中で、貴金属を扱うジュエリーブランドの在り方そのものが問われていく重要な局面にいるということです。少し大袈裟かもしれませんが、新しい時代に向かうための調整期間を通過しているように感じています。 それは同時に、私自身にとってもデザイナーとしての調整期間なのだと思っています。昨年から始めたこのジャーナルもその流れのひとつです。 これまで私は、ジュエリーという媒体にコンセプトやアイテム名といった言葉をのせてきましたが、そのこと自体が少し抽象的でもあったため、もう少し深く掘り下げて届けたいと思うようになりました。 アーティストが音楽に言葉をのせるように、言葉は感覚だけでなく、意味を持ちながら時間を超えて残っていくものだと思っています。 言葉は深く掘り下げることで、受け取る人それぞれの解釈を生み、その人の想いと混ざり合っていく。その変化を内包する在り方こそが時間の中で広がり続け、ジュエリーという媒体を通して身につける人それぞれの物語へとつながっていくのだと感じています。 かっこいい、かわいい、といったシンプルな解釈も良いことだと思っています。それも含めて、人が選び、身につけた瞬間からジュエリーはその人の一部になっていく。それぞれの人生の中で生きていくものだと考えたとき、その媒体をつくる側として言葉をのせることで、自然と引き寄せ合うような関係が生まれていくのだと考えています。 今後もジャーナルを通して伝えていきたいことの軸は、ものづくりのことやブランドにまつわることですが、よりリアルタイムで感じていただけるように、Instagramのアカウント(@tomoyo.yoshida_)で新たに更新していくことにしました。 このアカウントでは、1点ものの作品や昨年から始めた油絵など、私の手で生み出したということが伝わるものを中心に、すべてものづくりに繋がる視点で切り取ることを大切にしたいと思っています。 いわゆるパーソナルな日常を切り取るのではなく、今日食べた料理の器の模様に惹かれ、そのテクスチャーを次の日に彫金で表現したくなったことや、アーティストの言葉が心に残りそれがunのものづくりに通じていると思ったことなど、「何がどのように影響してるのか」という、もう一歩深い部分をリアルタイムで伝えていけたらと思っています。 来週からお仕事でパリへ行きます。そこで感じたこともお届けできればと思いますので、ご覧いただけるとうれしいです。

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