25Holiday Collectionと感覚の痕跡

今年も残りわずかとなりました。

unでは、毎年SS・AWに加えて、Holiday Collectionを展開しています。Holiday Collectionでは特定のシリーズを設けず、これまでのシリーズを振り返りながら、わたし自身が再構築・再解釈したいデザインを形にしています。

これまで大切にしてきたこと、そしてこれからも守り続けたいことを見つめ直したとき、そのひとつが彫金師であるわたしだからこそ、手作業でしか生み出せないものをつくり続けることだと、改めて強く感じています。

このジャーナルの初回でも、AIと表現の関係について触れましたが、「人間にしかつくり出せないものとは何か」という問いは、今もわたしの中で続いています。

今回のコレクションでは、その問いに対するひとつの答えとして、アナログな手の動きや感覚の痕跡、“手作業”という言葉だけでは語りきれない工程を取り入れたシリーズに焦点を当てました。


unを象徴するFrost Seriesは、前回のジャーナルでもご紹介した通り、光にきらめく霜の輝きを粒子のように刻み込んだテクスチャが特徴です。

今回は、定番では展開していなかったシルバー925とK10の組み合わせによって、貴金属の臨界に生まれるコントラストを探求しました。K10の溶接は、ひとつひとつどの角度で、どの距離で、どの瞬間に火を止めるか、それは計算ではなく、手に宿る感覚の記憶によって決まります。

時間と温度、そして感覚の交差点に生まれる微細な揺らぎ。その瞬間にしか宿らない美を閉じ込めた、1点ものです。

そしてBriller Seriesも、K10をひとつひとつ溶接して仕上げた代表作のひとつです。昨年発表したPebble Ringの造形を再構築し、ネックレスとして新たな解釈を加えました。川の流れに磨かれ角を失いながらも、水の中でそっと光を纏い、きらめきを宿す小石。その造形は、自然が時間とともに刻んだ彫刻のようでもあります。

Frostが「静止した光」だとすれば、Brillerは「流動する光」。2つのシリーズが、異なる時間の輝きを描き出します。

12月には、この物語の続きのような1点ものも登場します。楽しみにお待ちいただけるとうれしいです。