15年目のはじまりに

新年が明け、本日1月11日は、unの誕生日でもあります。

unはフランス語で「1」を意味する言葉であり、その意味を重ねて、設立日を1月11日にしました。ブランド設立から数えると14周年、そして15年目を迎えます。

15周年に向かう今、昨年あたりから、私自身が次のフェーズへ進まなければならないような使命感に近いものを感じるようになりました。

私は作るという行為そのものが、ある意味で精神統一のようなもので、無心になれる時間でもあります。心から一生ものづくりをしていたいと思いますし、彫金に出会えたことは人生の宝物です。

unを立ち上げた頃は、いつか地元福岡にアトリエ兼直営店を作りたいと考えていました。
当時は夢のような目標でしたが、1年目から有難いことにたくさんの方の目に留まり、そこから目まぐるしい日々が始まりました。
ただひたすら登り続けていたら、いつの間にか景色が変わっていた、というくらい無心だったように思います。

選択肢のひとつだった地元での直営店はいつの間にか自然に消え、私の方向性を変えてくれたのは、たくさんのお客様の存在でした。
unを通して多くの景色を見させていただき直営店を構えて8年が経ちましたが、今もこうして表参道で続けさせていただけていることに、とても感謝しております。

そんな中で最近感じているのは、貴金属の高騰が止まらず今後も価格の上昇が続くことが確実な中で、貴金属を扱うジュエリーブランドの在り方そのものが問われていく重要な局面にいるということです。少し大袈裟かもしれませんが、新しい時代に向かうための調整期間を通過しているように感じています。

それは同時に、私自身にとってもデザイナーとしての調整期間なのだと思っています。昨年から始めたこのジャーナルもその流れのひとつです。

これまで私は、ジュエリーという媒体にコンセプトやアイテム名といった言葉をのせてきましたが、そのこと自体が少し抽象的でもあったため、もう少し深く掘り下げて届けたいと思うようになりました。

アーティストが音楽に言葉をのせるように、言葉は感覚だけでなく、意味を持ちながら時間を超えて残っていくものだと思っています。

言葉は深く掘り下げることで、受け取る人それぞれの解釈を生み、その人の想いと混ざり合っていく。その変化を内包する在り方こそが時間の中で広がり続け、ジュエリーという媒体を通して身につける人それぞれの物語へとつながっていくのだと感じています。

かっこいい、かわいい、といったシンプルな解釈も良いことだと思っています。
それも含めて、人が選び、身につけた瞬間からジュエリーはその人の一部になっていく。
それぞれの人生の中で生きていくものだと考えたとき、その媒体をつくる側として言葉をのせることで、自然と引き寄せ合うような関係が生まれていくのだと考えています。

今後もジャーナルを通して伝えていきたいことの軸は、ものづくりのことやブランドにまつわることですが、よりリアルタイムで感じていただけるように、Instagramのアカウント(@tomoyo.yoshida_)で新たに更新していくことにしました。

このアカウントでは、1点ものの作品や昨年から始めた油絵など、私の手で生み出したということが伝わるものを中心に、すべてものづくりに繋がる視点で切り取ることを大切にしたいと思っています。

いわゆるパーソナルな日常を切り取るのではなく、今日食べた料理の器の模様に惹かれ、そのテクスチャーを次の日に彫金で表現したくなったことや、アーティストの言葉が心に残りそれがunのものづくりに通じていると思ったことなど、「何がどのように影響してるのか」という、もう一歩深い部分をリアルタイムで伝えていけたらと思っています。

来週からお仕事でパリへ行きます。そこで感じたこともお届けできればと思いますので、ご覧いただけるとうれしいです。